※現代パロディが苦手な方はご注意
※理屈っぽい小平太×軽い伊作












「いらっしゃいませー!」







サークルのメンバー十数名と、大学の近くにある居酒屋に来ていた。
辺りはざわざわと騒がしい。
けど、そんな騒がしさって僕は嫌いじゃない。
騒がしさの中にある静けさって、いいと思わない?



















とは 生きる意味である















「俺はね。忍者になりたいんだ」





ごほっ。

おいおい…何を言い出すんだ。危うく吹き出しそうになったぞ。


「あははは。何、小平太もう酔ったの?」

「いや本気!本気で、俺忍者になりたいんだよね。」


そう言って、小平太はグイっと杯を煽る。

透明のアルコール。銘柄は『いけいけどんどん』。




「あ、店員さん!お代わりちょうだい!」


ちょ、飲み過ぎだって。

…まさか僕の部屋に泊まる気じゃあないだろうな。






「で?何だって?忍者?」

「うん、忍者。
だってさあ、忍者って、大事な殿のために命を投げうってでも戦うんだろ?
殿を守ってさ。自分じゃなくて、他者のために生きるんだろ。
…俺、だから忍者になりたい。」

「ふうん。」

「俺、ある人のために生きてるんだよね。
俺が死んだら、その人が悲しむかなっと思ってさ。
その人のためだけに生きてるんだ。
そんで、その人に降りかかる不幸全てを振り払いたい。


だから、忍者になりたいんだ。」







小平太はだいぶ酔ってるんだろうな。

だって小平太の自分語りなんて初めて聞いた。







そして、僕も酔ってる。


言ってしまえ。







「あのさ、その人ってさ、…もしかして俺?」



あ、小平太と目が合った。





はは、何この沈黙。



「な、何言ってるの!まあ確かに俺はいさっくんのこと愛してるけどさー。」






あーあ、またこうやって茶化すんだから。

もう分かってるのに。



「俺も愛してるよー」





キャッキャ言いながら小平太に抱きついてたら

今まで蚊帳の外だった奴らからキモイキモイって笑われてからかわれた。







かわいそうに。



近いうちにもっとキモイ光景を見るようになるのにさ!








僕は嬉しすぎてみんなと一緒に笑った。




愛してるぜ、小平太!




















実は相思相愛なのに小平太が奥手のあまりなかなか進展しないこへ伊。
普段はいけいけどんどんなのに
色恋に関してはそうじゃない小平太だと可愛い。
そんなヘタレ小平太の騎士(ナイト)っぷりにメロメロの伊作。可愛い。